●「Real World Dataの活用」に向けた活動
PMS分科会は,医薬品の製造販売後の調査業務や安全管理業務が市販後調査(PMS)と呼ばれていた頃から,毎月1回定例の会合を開催し,医薬品の安全性情報や製造販売後調査の取り扱いについて会員相互の情報共有と問題解決の場とし,
テーマ研究を中心に活動しています。
2018年後半から,PV関連のテーマを扱うグループの他に,主にDB調査のテーマを扱うグループを新設し,2グループにて活動を行っています。
GVP業務のうち,製造販売後の有害事象情報の入手~評価は日々発生する業務であり,業務全体からみても大きな割合を占めていますが,各企業により記録の残し方など細かな点では業務プロセスが異なっています。そこで,この機会に業務プロセスを整理し,簡素化をしつつ品質を維持(又は改善)することを目標に検討テーマとして選択しています。現在は,PV業務においてAI/RPAで出来ること,PMSの日々の業務に役立ちそうな小さなアプリケーションの開発の検討を行っております。
改正GPSP省令において,新たに製造販売後データベース(DB)調査が調査方法として設定されたことを受け,DB調査について学習し,ガイドライン等に記載されている研究フローに沿って架空のDB調査を実際に企画・実施してみることを検討テーマとしています。
2021年からは過去に行われた研究を土台に実施計画書を作成し,実際のDBを扱いながら検討を行っております。
【現在の主な研究テーマ[2024年8月時点]】
PV業務においてAI/RPAで出来ることの検討
ここ数年のデジタルトランスフォーメーションの推進により,PV業務においてもデータ加工・出力などの周辺業務でRPAを活用するなどの会社もでてきている。
業務省力化の試みとして,2020年後半までに作成したプロセスマップより,各プロセスでAI/RPAで出来ることを検討する。
PMSの日々の業務に役立ちそうな小さなアプリケーションの開発
PV業務においてAI/RPAで出来ることの検討結果をもとに,想定作業フローを作成し,RPAでの自動化を検討する。
製造販売後データベース調査の実践
2018年4月1日より施行となった改正GPSP省令により,製造販売後調査の一つとしてデータベース調査が規定された。この新しい調査について,ガイドライン等に記載されている研究フローに沿って,DB研究を実際に行う。第一ステップとして過去の研究を異なるデータベースで追試的に実施することにより,DBの特性を理解した上で,独自研究課題に取り組むこととした。現在は,使用するDB構造の理解,研究計画書作成に必要な情報確認,データセットおよびデータセット仕様書の入手,選択基準・除外基準の詳細条件確認および研究計画書への確認結果の反映,統計解析プログラム「R」の勉強会,解析計画の作成などの活動を実施中。
今後の予定
・データハンドリング,解析実施
・解析結果の検討
・解析結果のまとめと考察
【過去の主な取り組み】
・・>2018年度,2023年度定期研究会にて活動成果を発表
・・>2019年度,2020年度定期研究会資料に活動成果を掲載
●有害事象症例handlingのプロセスに関わる記録の電子化の検討
・・>2020~2022年度活動。検討時の資料をメンバーに配布
●有害事象症例handlingのプロセスマップ作成
・・>2018年度定期研究会にて活動成果を発表
・・>2019年度,2020年度定期研究会資料に活動成果を掲載
●使用成績調査をより科学的に行うために必要な事項
・・>2017年度活動。検討時の資料をメンバーに配布
●Pharmacovigilanceのデータマネジメント(自発報告の入力基準,再調査
基準)
・・>2016年度,2017年度定期研究会にて発表
●海外製薬企業によるPharmacovigilance監査の事例研究
・・>2015年度定期研究会にて発表,PHARMSTAGE 2015年11月号に掲載
●保存資料の電子化に対する考え方
・・>2014年度活動。検討時の資料をメンバーに配布。
●定期的ベネフィット・リスク評価報告(PBRER)の理解と必要な対応
・・>2013年度定期研究会にて発表
●MRからの副作用速報の電子化及び電送化の現状から問題点?解決策の整理
・・>プレゼンテーション資料を作成(2013年)
●Pharmacovigilanceに与えた東日本大震災の影響と今後の対策
・・>2012年度定期研究会にてポスターとして発表
●RMP作成にあたっての事例研究
・2012年度定期研究会にて発表
●[医薬品リスク管理計画(RMP)ガイダンス(案)]の解釈と理解
・・>2011年10月29日,PMDAへパブリックコメント提出
[2024年8月末日現在]